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多世代が交流できる居場所

多世代が交流できる居場所

公立大校友会副会長・府立大校友会会長 仁科亮子

新型コロナ感染症に振り回された日々が一段落し、少しずつ日常生活も元の状態に戻っています。

最近読んだ『ヒトの壁』(養老猛司著・新潮社)に「人生は不要不急か」というコロナ禍の中で繰り返された「不要不急」について、論ずる章がありました。

コロナ感染すると重症化しやすい高齢者は、生産年齢でもないし、多くは社会的に必要とされる立場でもない「不要不急」の対象として、一括りにされたことに氏は「不要」は、「不用」と置き換えられると感じながらも、ご自身の都度の職業や立ち位置を通して、あるいは、医学者としてウイルスについて、自身の考えで政治的なことも論じながらコロナ禍の中の人生を語る内容で、興味深く読みました。

さて、「不要不急」の年齢にすでに達している私と同窓会の出会いは、公務員生活を定年まで勤め、その後フルタイムで6年間も働き、男性と同じように、さあ、地域でと言ってもなかなか居場所がないし、何をしようかと考えていた頃、大阪女子大の先輩から暇だろうからと斐文会の理事を務めることを強く勧められ、今に至っています。

この間、最大の思い出は、2018年7月に大阪女子大同窓会斐文会設立90周年を、ホテルグランビア大阪で開催できたことでしょうか。当時、斐文会理事長を務め、府立大辻前学長、奥野前々学長、府大校友会津戸前々会長をはじめとした来賓の皆様、90周年を祝い招待した90歳以上の卒業生22名、色々な世代のクラス会開催などで約250名の方が出席され、90周年を盛大に祝いました。90歳以上の卒業生は、戦火の中で学生生活を送られた大阪府女専出身者で、歴史を感じるお話しを多く聞かせていただき、元気に出席していただいたことに感謝しました。斐文会は、2005年に府立大と統合し、卒業生を受け入れることもない同窓会ですが、2028年の100周年を目指して活動を継続しています。

昨年3月からは府大校友会会長、公立大校友会副会長と身の丈に合わない役割を与えていただき、戸惑うことも多い日々です。同窓会は、卒業生の歴史を後世の世代に繋ぐとともに、多世代が交流できる居場所としての役割があると思います。人と人との繋がりが希薄になりがちな世の中、私のように現役世代の頃は、同窓会には全く興味を示さなくてもその後の受け皿としての役目も大いにあります。府大校友会の存在もあと2年足らずとなり、単位同窓会、地域同窓会も含め、府大校友会の歴史を繋ぎながら、公立大校友会へスムーズにバトンタッチできるよう努めていきたいと思っています。

日々の生活では、長居公園のウオーキングを毎朝のルーティンとして、植物園では四季折々の花を楽しみ、健康に過ごすことを心がけています。

リレーコラム写真1 藤
リレーコラム写真2 バラ