校友会 理事 日野泰雄
校友会理事 日野泰雄 まずは先人に倣って自己紹介。大阪市西区に生まれ、淀川区(旧東淀川区)で26年間育った生粋の大阪人。とは言え、昼なお暗きビルの谷間から脱出すべく宝塚へ転居。1975年大阪市立大学工学部土木工学科卒、1977年同大学院土木工学専攻修了、その後14年間の助手時代を経て、2001年に教授就任、2017年3月に定年退職するまで40年間大阪市立大学にお世話になり、46年間杉本町に通い続けました。
とくに、2012~15年の研究科長時代には、時には中百舌鳥、時には杉本、また時にはリモートで、大学統合について現学長の辰巳砂先生をはじめ当時の府大の先生方と幾度となく議論を重ねたことは、今も記憶に新しいところです。また、最後の一年は、人事担当の副学長として数多の人事委員会の運営に携わらせていただきました。あ~、しんどかった(実感!?)。とは言え、近年の働き方の考え方では得られない大事なものを得た気もします。
いまは、大阪市立大学名誉教授の肩書をいただき、国、地方自治体のいくつかの審議会や各種委員会の委員として主に「まちづくり」や「交通安全」「移動支援」等の行政のお手伝いをさせていただいています。
私の専門は土木とは言え、主に「交通」に関わる安全、環境、「まちづくり」と一体となった交通ネットワークなどの社会科学に属するものです。府大出身の先生方とも、いくつかの会議でご一緒させていただいています。その中での関心事は、人材の不足です。中でも、技術系 (特に土木系)職員がいないため、事務系の職員の皆さんにレクチュアしながらの運営も珍しくありません。技術継承、人材育成を疎かにしたつけがきているのかもしれません。
遅まきながら本題(?) 今年のお盆に車の渋滞に巻き込まれ、「あっちの道にしとけば良かったのに!」などと愚痴めいたことを口にしませんでしたか? でも後悔には及びません。「需要が十分にあるときにはどの経路も同じ所要時間になる」という英国研究者の理論があります。隣の芝生は青く見えるという、比較(相対)評価の価値観が根付いてしまっているのかもしれません。そもそも、ほかの人よりも先に行きたいという運転行動が渋滞の一因であることも知っていただきたいものです。
最後に一言。年齢を重ねてこそ、後輩への道標として説いてきた座右の銘である「塞翁が馬」と「温故知新」を自分のものとして、過去を振り返りつつも前向きに歩みを続けたいと思っています。