よつば会会長 松本美知子
はじめまして 私は大阪市立大学医学部附属看護専門学校の29期生で、最後のよつば会会長を2021年から務めています。看護学生時代に思いをはせると、まず入学時、終戦後いち早く新制度の看護教育が開始されたと聞きすごい歴史ある学校に入学できたと誇らしく感じる一方で、学生自治会から「当校の誇りはこの角棒とヘルメットである」と挨拶されびっくりしたことを今でも思い出します。看護学生としての学びは楽しく、母性看護学実習中に感じた「児が誕生する直前の一瞬の静寂さ」に魅かれ、卒業後は助産師学校に進学しました。助産師として大阪市立大学医学部附属病院に就職し7年間の臨床経験後、母校に配転し平成12年の閉校まで専任教員として後輩教育に携わりました。閉校は看護大学移行のためとはいえ、閉校式を企画しながら寂しさを感じましたが、閉校後市大病院に戻り看護管理者として看護師の継続教育を担い、卒業生たちの活躍する姿に感激し、励まされ続けて42年間、市大病院の発展と天王寺界隈の変化を感じながら過ごしました。定年退職後は大阪府看護協会に就職し、看護師の継続教育企画、運営とともに蔓延する新型コロナ感染の最前線で活躍する看護職を側方から支援しました。1年半前より北摂の公立病院看護部長として臨床現場に戻っています。コロナ禍の臨床現場は、重症化予防のケアの提供や医療者の感染などで、やむなく一般患者様をお断りするというジレンマで悩みました。現在、コロナ禍もやや落ち着きを見せていますが、院内クラスター発生予防のための感染対策は継続しています。臨床では以前の日常ではなく「今」が日常と感じています。また、喫緊の課題である医師の働き方改革に対応するために、看護界でも特定看護師、診療看護師の育成、健康寿命を延ばし在宅で健康的な暮らしを支えるためのケアを開発することなどが求められています。様々な職種とタスクシフト・シェアすること、ICTの活用などが必須となります。このような時代に対応するには看護の本質を見失うことなく創意工夫できる柔軟な発想を持つ看護師が必要です。大阪公立大学となった今、多様な学びが出来る環境がそろっています。よつば会は来年3月をもって解散しますが、これからの看護界でイノベーターとなって果敢にチャレンジする後輩が誕生することを期待しています。